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光ファイバ接続基礎講座(2)

光ファイバ接続基礎講座(2)

1.モードフィールド径の相違よる接続損失

SMファイバのパラメータの一つにモードフィールド径があります。
汎用SMファイバの波長1310nmでのモードフィールド径は9.2±0.5μmです。
SMファイバを接続する場合、互いのモードフィールド径が相違していることに起因する接続損失が生じます。

SMファイバは伝搬モードが一つですので、モードフィールド径が大→小、もしくは小→大の方向性に関係なく、モードフィールド径の変化によって接続損失が生じます。

余談ですが、OTDRで測定した場合、このモードフィールド径の相違により後方散乱光が異なる特性があります。モードフィールド径が小さいファイバからOTDRのパルスを入射した場合は、段差が落ちて損失が大きく見えます。逆にモードフィールド径が大きいファイバから入射した場合は波形段差が逆に上がり、損失が小さくもしくはプラスに見えます。

そこで、真の接続損失を測定するには、前号の(5)OTDRによる接続評価に示したとおり、正逆の二方向からOTDRでパルス光を入射してその接続点の段差を測定し、正逆の段差を平均化することで求めますので、ご注意ください。

モードフィールド径の相違で発生する接続損失Lは、マルクーゼの理論式より、以下で求められます。

L=-10log [2ω1ω2/(ω1²+ω2²)] ²・・・・式1
ω1、ω2は接続するファイバのスポットサイズで、モードフィールド径(μm)の半分の値

それでは、汎用SMファイバの波長1310nmでのモードフィールド径は9.2±0.5μmですので、その最小最大のモードフィールド径を持つSMファイバを接続した場合の接続損失を求めて見ます。
L=-10log [2×(8.7/2)×(9.7/2)/{(8.7/2)²+(9.7/2)²}] ²
=-0.05dBとなります。
0.05dBという光損失は、通常は全く問題ない微小な損失です。

2.通常SMファイバと曲げ強化型SMファイバとの接続

国際規格であるITU-T G.652Bに準拠した汎用SMファイバとして、最近では、許容曲げ半径が従来の30cmから、15cmまで小さくでき、収納や取り扱いに便利なSMファイバがでてきています。例えば、住友電工ではSM(PA)と呼ばれています。

その曲げ強化型ファイバの代表的なモードフィールド径は、8.6±0.4μmです。

このファイバを1項の通常SMファイバと接続した場合のモードフィールド径の相違による接続損失を計算してみましょう。

① 平均的な接続の場合
ω1=9.2、ω2=8.6を式1に代入して求めるとL=0.02dBとなります。 0.02dBという光損失は通常は全く問題ない微小な損失です。
② 最悪の組み合わせでの接続の場合:ω1、ω2
ω1=9.7、ω2=8.2を式1に代入して求めるとL=0.12dBとなります。 最悪の組み合わせでも0.12dBなので、通常は全く問題ありません。

従いまして、現在は汎用SMファイバとして国際規格であるITU-T G.652Bに準拠しているコンパクト収納と扱い易い、この曲げ強化型ファイバの使用がポピュラーになってきています。

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