技術情報

標準光コネクタ用・防水型WBシリーズ

標準光コネクタ用・防水型WBシリーズ

出典:SEIテクニカルレビュー2009年1月号より、抜粋

1. 概 要

FTTH(Fiber To The Home)で一般家庭にまで光ファイバが導入され、更には情報、信号、映像、そして電力すらも光ファイバを媒体に送れるようになり、今まで電気でしか成しえなかったことが光で行える時代となってきました。この光ファイバは帯域が広いだけでなく、絶縁体で電磁誘導性がないことからEMI対策や雷対策としてメタル線よりも大きな利点です。 今後光ファイバの適用分野は更に拡大を続けるでしょう。その光ファイバを接続する環境も、従来の通信伝送装置が設置されるような恒温恒湿の良い所ばかりではなく、屋外の風雨に曝される環境や、工場等の油まみれの環境にも設置されるようになります。そこで、住友電気工業(株)と SEOF(旧SHP)は、標準光コネクタをそのまま屋外や劣悪環境下でも使用でき、 簡易に着脱ができる標準光コネクタ用・防水型WBシリーズをリリースすることになりました。WBシリーズ第一弾として、国内外で最も多用されている標準光コネクタ用・防水型WB-SCを2008年11月に販売開始しましたので、新製品として以下にご紹介します。

2. 特 長

(1)標準光コネクタが屋外防水仕様に簡単衣替え

これまでの特殊防水型光コネクタは光接続部を含めて特殊設計で汎用性や経済性に課題がありました。この防水型WB-SCは写真1に示すように、光接続は世界標準の標準光コネクタと標準光アダプタを使用しており、その周りを防水構造で覆います。標準光コネクタを内蔵したプラグWB-SCPが、予め筐体に取り付けられたレセプタクルWB-SCRとバイオネットロック構造でワンタッチに簡単着脱できます。防水性は、①筐体とはWB-SCRの鍔内側のOリングをネジ固定することで、②WB-SCRとはWB-SCPの内側のパッキンがバイオネット勘合することで、③屋外光ケーブルとはWB-SCPのケーブルパッキンを端部ナットのネジ結合で保たれています。

WBシリーズとしてリリース開始したWB-SC

(2)筐体組み込み・検査が標準光コネクタ使用で簡単

従来ある特殊防水光コネクタと新製品のWB-SCを筐体組み込み、検査時の使用した場合の比較を示しています。図1(a)に示すとおり、特殊防水光コネクタのレセプタクルは筐体内では直接光ファイバ心線が繋がっており、レセプタクル装着後に筐体内蔵部品を組み立て、組み替え時に光ファイバ心線を回避する手間が生じます。一方WB-SCRを使用すれば、標準の標準光コネクタで光ファイバ心線を容易に着脱できるので、筐体内蔵部品組み立て、組み替えの邪魔になりません。また、図1(b)に示すとおり、筐体外側からの光学特性検査の場合、検査用のマスタコネクタを使用しますが、WB-SCRでは、汎用のマスタ標準光コネクタを使用できる利点です。

特殊防水光コネクタとの比較

(3)現地での損傷が標準光コネクタ使用で簡単取替え

屋外や劣悪環境下では、浮遊する粉塵等でコネクタ着脱時にレセプタクル側コネクタ端面を損傷する事故が、屋内の清浄な環境下での着脱に比して、考えられない程多いようです。図2(a)に筐体外のレセプタクル外側端面を示しています。レセプタクル内のコネクタ端面を損傷すると光損失や光反射量が増大し、光学特性を満たしません。特殊防水光コネクタ使用の場合は、同コネクタを含めた光ファイバ心線を交換する必要があり、屋外や劣悪環境下では、大変な作業となる。筐体毎取り外して、工場内で交換修理を余儀なくされる場合も多数あります。一方、WB-SCRの場合は、筐体を開けて、図2(b)に示すとおり、標準光コネクタを取り外すことで光ファイバ心線を同環境で簡単交換できます。万一、WB-SCR内の標準光アダプタを損傷した場合でも、簡単に標準光アダプタのみを現地で交換可能です。

コネクタ損傷時の取り替え容易

3. 性 能

(1)防水性

JIS並びにIEC規格の防水等級IP67を満足する防水性能を保有しています。IP67の6は耐塵形を意味し、粉塵が内部に侵入しない設計としています。また、IP67の7は水中への浸漬に対する保護を意味し、水深1メートルで30分間水中に浸漬しても有害な影響を受けません。WB-SCの筐体への取り付け寸法を図3に示します。

筐体側のWB-SC取り付け寸法図

(2)評価結果

WB-SCの評価結果の一例を表1に示します。光学的性能、機械的性能、環境的性能を、JIS規格C5961に準拠して試験し、記載の規格を満足しました。

防水型WB-SCの評価結果一例

今回リリースしたWB-SCは図4(a)に示すように、標準光コネクタの代表格である標準光コネクタで、今後標準光コネクタを使用したWBシリーズのラインアップを開発し、品揃えしていく予定です。図4(b)に示したのは、発売予定の、現地付け標準光コネクタe-標準光コネクタを用いた光ドロップケーブルに現地で取り付けられるWB-eSCPです。

SCコネクタを用いた防水型WBシリーズ
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